「涼宮ハルヒが消滅しました!」
「鍵も同様です!!」
「なんということだ…恐れていたことが…!」
「この状況を予測できなかったのか!」
「責任を誰が…!」
(…うるさいな…。〉
大騒ぎする上層部の声が意識と離れたところに響く。
世界は意外と脆かったな。
それ以外感想はなかった。
それこそ意外だった。
残念だと思わないではない。
あの「怪しげな部活」の居心地は悪くなかった。
気ままな神様、気弱な未来人、無表情な宇宙人…。
それから…。
「…。」
手が、震えた。
滑稽だな。
世界を拒絶した神を、僕は受け入れられない。
だから聞きたくないんだ。
絶望…超能力を手に入れた時もこうだっただろうか…?
今は消える事に絶望しているようだ。
全く、滑稽だ。
「古泉!お前が行くんだ!」
「…は?」
ふと声をかけられる。
同じ超能力者で最年長のリーダーとも言える人だ。
「馬鹿野郎、聞いてなかったのか?!
これからあの閉鎖空間に侵入する。」
「え…でも、」
「やっぱり聞いてなかったのか。
俺達の力をサポートに使うんだ。
そうすればまだなんとか入れる。
「鍵」に今の状況を伝えに行くんだ、早くしろ!」
「…っはい!」
受け入れていい現実が耳に入って来た。
まだ努力できるらしい。
僕はまだ現実にいる。
END
憂鬱のラスト。
大恐慌な上層部が気になってました。(^^)
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